§4 相対速度・合成速度

合成速度と相対速度について説明します。
同じ人が階段を使って上の階に上がった場合とエスカレーターを歩いて上がった場合では、
エスカレーターを歩いて上がったときの方が早く上の階に行けますよね。(あたりまえですけど)
これはエスカレーターが動いているからこのような結果になりますね。
この、エスカレーターの速度人が歩く速度を足し合わせたものが合成速度です。
では、具体的な大きさの出し方について説明します。
上の図のような川の上を走る船を考えてください。
止まっている水の上を4m/sで走ることのできる船が、
3m/sで流れる川の上を走るとどのくらいの速度で走ることができますか?

4m/s + 3m/s = 7m/s

ですね。これは簡単だと思います。
ここで思い出してほしいことがあります。
速度ってベクトルでしたよね?
つまり、今計算した4+3というものはベクトルの合成を考えているということになりますね。


それでは次は、先ほどと同じ川を横切る船を考えてみましょう。
上の図のように船が川を横切ると、川に流されて右斜め上に進むはずですよね。
このときの船の速さってどうなるのでしょうか・・・

川と船の向きが違うのでベクトルの合成を考えると図のような長方形を考えないといけませんね!
この長方形の対角線が合成速度になるわけです!

以上のように、合成速度を考えるときはベクトルの合成を考えればよいというわけです!


続いて相対速度です。
上の図のように、40km/hで走っている車を歩道に立っている人から見たときと
30km/hで走っている車の上から見たときでは動き方が違って見えますよね。
これが相対速度です。

30km/hで走っている車から見たときは、いつもより遅く走っているように見えるはずです。
その速度は?

40km/h - 30km/h = 10km/h

ですね!
勘のいい人はもう気づいていると思いますが、
相対速度を考えるときは、ベクトルの差をとればいいのです!


では、上の図のような速度で車が走っていた場合、
相対速度は図に示した値になるはずですね。
これが相対速度の一般式です。


注意してほしいことがあるので下の図で説明します。
この図のような場合はどうなるでしょうか・・・
先ほどの例とは違っていつもより早く見えるはずですね。
でも相対速度はベクトルの差をとるんじゃ・・・

わかりましたか?
左の車に対して右の車の速度はマイナスの向きですね。
つまり、ベクトルの差を考えると、
-(マイナスの値)
となるので、結果としてはいつもより大きくなるというわけですね!

ベクトルについてだんだんわかってきましたか?
このように、物理の世界の一般式ではベクトルを用いて表すことで
常に同じ形の式で表せることができるのです。
たくさんの一般式を求める必要がなくなりますね!
ただし、+-には注意が必要です!


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